賃金は、いろいろな労働条件の中で、もっとも重要なものです。だからこそ、法律でも様々に守られているのです。以下賃金に関する諸規定を見てみましょう。

　労基法第11条には、「賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として支払うすべてのものをいう」と規定されています。
　労基法89条では、賃金の計算方法等を就業規則に定めるよう義務づけていますが（就業規則の項参照）、金額を具体的に明示しなくても賃金の項目を定めておけば良いという行政解釈になっています。
　医療の職場では、現在でも「お手盛り賃金」が横行しています。就業規則または、賃金規定に賃金の項目（基本給、通勤手当、住宅手当等）だけでなく、賃金表（基本給表）、各種手当額と支給対象などを具体的に明記させることが重要です。

１．通貨支払いの原則
　　原則として通貨で支払わなければなりません。物品で支払うなどはダメ。
　　また、賃金の口座振り込みの場合は、労働者の合意等の条件が必要です。

２．直接払いの原則
　　未成年者であっても、親や後見人が代わって受け取ることはできず、労働者が頼んだ代理人でもIいけません。中間搾取（ピンハネ）を防ぐためです。

３．全額払いの原則
　　税金など法令で別に定めがある場合や労使協定がある場合を除いて、賃金の一部を差し引くことはできません。

４．毎月1回以上払いの原則
　　賞与など臨時のものは除き、賃金は期日を決めて支払わなければなりません。

５．一定期日払いの原則
　　賞与など臨時のものを除き、賃金は期日を決めて支払わなければなりません。

注意点
退職金は、労働協約・就業規則・労働契約などであらかじめ支払条件が明確になっていなければもらえないことがあります。賞与（ボーナス）も同様です。
例えば、「退職金あり」「賞与有り」という表現だけではダメです。
こまかく「勤続何年で○○円支払う」「○月に基本給の○月分支払う」という条件や金額を明記した規定がなければ通用しません。

	日額	時給	効力発生日
全産業	○	（単位：円）６１１	2002年10月1日
電子部品製造等	○	７０２	2002年12月30日
一般貨物自動車	７，２８０	９１０	1998年12月30日
大型貨物自動車運転業務従事者	５，７５４	７２０	1988年12月30日　凍結

	初任給	３５才	５０才
全国平均	１９３，８８４	３０３，８０５	３９８，１３２
国立病院	１８７，３００	２９３，１００	３６１，８００
日赤病院平均	１９６，６００	３０１，９００	３８４，９００
JA病院平均	１９４，７０５	２９５，９２９	４０４，３９１
四国平均	１８８，４２８	２７４，３６５	３６１，６４５

	初任給	３５才	５０才
全国平均	１８６，６３７	２８１，８１０	３７１，８６５
国立病院	１６５，５００	２６７，１００	３４６，８００
日赤病院平均	１７，３１０	２７７，０００	４０５，４００
JA病院平均	１７９，６４６	２８６，４５５	４００，０３６
四国平均	１７６，８２１	２６６，８２５	３５２，４５０

	初任給	３５才	５０才
全国平均	１５７，３１３	２６１，３４８	３４２，４８７
国立病院	１３８，８００	２６６，４００	３５５，２００
日赤病院平均	１３８，８００	２４２，８００	３４４，０００
JA病院平均	１４５，１７８	２６１，３２３	３６１，９２８
四国平均	１４７，１６７	２４３，７７５	３２５，４９２

１．賃金とは	４．高知県の最低賃金
２．賃金支払いの５つの原則	５．割り増し賃金
３．最低賃金の保障	６．職種別モデル賃金

労働の種類	割増率
時間外労働	25％以上
休日労働	35％以上
深夜労働	25％以上
休日+時間外労働	35％以上
時間外+深夜労働	50％以上
休日+深夜労働	60％以上
休日+時間外+深夜労働	60％以上