●小泉流「痛み」とは?


ウインドウズおじさん、マックおじさんが流行りだという。前者は、コンピューターが使えず窓際に追いやられた人。後者は、小遣節約のため昼食をマクドナルドで済ます人。年間自殺者三万三千人。50代が大きな山に。社会のひずみは、若者へと同時に中高年の団塊の世代に確実に押し寄せている。
「失業したからといって、自殺するわけではない」というのんきな経済財政担当相の言葉とは裏腹に、失業率の増減の折れ線グラフは、自殺率のそれとピッタりと相関している。
 不良債権の早期処理が何をもたらすのか。地域経済を支えてきた中小の優良企業さえ押しつぶし、地域社会の崩壊さえもたらしかねないとの指摘さえあるが、それがもたらす大量失業は深刻である。
 
 北欧各国は、不良債権をわずか三年間で処理したという。その秘密は、企業はつぶれても人はつぶさない社会システムにある。ひるがえってこの日本は?企業がつぶれれば、人もつぶれる。それどころか、人はつぶしても一部企業はつぶさない政治が横行しているのではないか。
 「多少のイタミは仕方ない」という「イタミ」とは何なのか。そう言っている人たちも「イタミ」を分かち合ってくれるのか冷静に考えてみよう。そういう人たちは、大学に守られながら日本経済を論じ、「イタミ」発言で本が売れ印税が入ってくる人たちではないのか。競争社会の中での一部「勝組み」の人たち。政党助成金と企業献金で「政治」をしているつもりになっている人たちではないのか。「イタミ」とは、そういう人たちには、どうも関係のないもののようである。
 首相の写真集がどれほど売れようがそんなことに関心はないが、そのことに「他人にイタミを押付ける政治」を助長する間接的効果があるとするならば、「ミーハー」も罪深いことこの上なしである。(T.T