●診療報酬改定と情報開示


2年に1度の診療報酬(医療費の単価表)改定が、マイナス1%で政治決着した。医療関係議員を多く抱える参議院自民党との妥協の形だ。
 ここでも小泉対族議員の構図が描き出され、このごろ腰が引けていると首相が批判された。しかし、この構図では最初から善悪の役どころが決まっているところがくせものだ。
 日本医師会は、安全性のコストとして4.2%の引き上げを主張。人員増やディスポ材料の使用の必要性を挙げた。この点では、私たちとも一致する。
 患者負担分を除いた医療費を医療機関へ支払う健康保険組合や政府は、財政難や公務員の賃下げを理由にマイナス改定を主張した。
 政治的な思惑を絡めず、このような議論を徹底的にすべきだ。国民の側も負担のあり方含め問い直す時期である。議論の前提になるのは、関係者の徹底した情報開示だろう。
 医療機関側は改定前には、人員増や賃上げなど従業員の処遇改善を理由に使いながら、決定後には人件費の切りつめで帳尻を合わせる。情報の閉鎖性もあり、「医者はもうけている」との国民の不信はつのる。
 医療法人は決算書類の県への提出を義務付けられている。しかし、従業員にさえ財務状況を知らせている民間病院は皆無に等しく、県も届けられた資料を開示していない。大阪府は開示している。診療報酬改定は通常国会での正式論議が待っている。国民的議論の手始めとして、県が情報開示に踏み切ってはどうだろう。(高知新聞に投稿。2004年1月)