県医労連 e-news

 高知県医労連の取組みを随時紹介します。
 また、皆さんからの寄稿も紹介します。気軽にメールしてください。


医労連共済の連鎖学習買い始まる
   
 個別相談、全体学習ともに好評

 
医労連共済を拡大し組合員の生活を守ろうと、6月6日の高北病院職組を皮切りに連鎖学習会が始まりました。
 講師は、医労連共済会本部の松川さん。松川さんはファイナンシャルプランナーでもあり、昼間は組合員の民間保険の証書を一緒に検討し、さまざまなアドバイスをしています。高北病院職組では、個別相談に5名。夕方の学習会に20名近く集まりました。
 7日は、同仁病院労組。個別相談は4名、夕方の学習会には15名程度が参加しました。個別相談では、「この保険は正解です」、「これはあきませんわ」といわれるたびに一喜一憂する場面も。しかし、その後しっかりしたアドバイスがあります。医労連共済が強い見方です。切り替えて、同じ保障で毎月多くの節約ができます。
 8日の高陵病院労組では、個別説明会に7名、夕方の全体学習会には20名を超える組合員が集まりました。また、説明会後には組合員集会に切替え、春闘、一時金問題について討議しました。その中で、新人5名の組合加入が報告され、そのうち3名の出席者が紹介され挨拶しました。その中の看護師は、高陵病院には組合があるということで須崎市内のK病院からきたということです。



健保鳴門支部不当労働行為事件第一回審問
 
佐藤書記長の証人調べ  不当労働行為性明白に

 健保労組鳴門支部は、病院側の一方的な諸手当の協定破棄(30通)とその後の労働条件合意部分についての協約締結拒否は、不誠実団交と労働組合無視の組合活動への支配介入にあたるとして救済を徳島労働委員会に求めていました。
 6月3日の第一回審問日には、徳島県庁11階の審問室に50名を越える支援者が詰めかけました。四国地方協からは、地方協終了後3県6名が傍聴支援しました。
 佐藤書記長は主尋問2時間、反対尋問1時間を見事にやりとげ、病院側の不当労働行為性が浮き彫りになりました。
 病院側はH6年に44名を役職につけ、役職をエサに組合脱退を迫り、組合員を330名から260名あまりに激減させ、その結果、看護職中心の組合になった。役職者は、全職員458名中127名。
 また、現院長が部長時代にした組合攻撃発言やストを中傷するビラを患者さんへに配布していた事実などが明らかにされました。
 佐藤さんは、今年3月26日に病院側が行った30通にも及ぶ規定外諸手当の破棄通告は、大部分が看護職にかかわるものであり、組合員の動揺を誘うための組合活動への支配介入であると主張。具体的な提案は2月18日であり、明確な資料、根拠も示しておらず、団交も形式的と指摘。また、H14年11月28日の確認書には、諸手当の見直しに当たっては労使合意ですすめることを明記、これにも反すると主張しました。
 病院側代理人は、健保病院をめぐる情勢は厳しく、諸手当のこれまで通りの維持はできないという主張を行いました。
 これに対して佐藤さんは、再建には具体的な提案もし協力してきた、問題は協力するしないではなく、十分な話合いもせず一方的に破棄したり、協定も結ばないという病院側の姿勢。これでは、医療の安全も心配、と主張しました。
 集会後、その場でまとめの集会を開催。医労連を代表して田口中執が挨拶。健保病院をめぐる情勢が厳しいのは事実。問題は、それをどう切り開くかだ。二つの道がある。経費の最大部分の人件費を削る、そのために組合を攻撃するやり方。もう一つは、理念中心の経営を進め、患者さん、地域に信頼される病院作りを進めること。前者の典型が鳴門病院。後者が、県病院局の管理者になった元坂出市民病院の塩谷先生のやり方。どちらが正しい道かは明らか。
 より良い病院作り、医療の安全と組合攻撃、「合理化」の強化とが両立しないことは、JR西日本や組合攻撃をしている日本航空を見れば明らか。そういう点では、今回の闘いは不当労働行為との闘いであると同時に、より良い病院作り、医療の安全を守る闘いでもある。この点に確信を持ってがんばろう、と激励しました。
 次回審問は、7月12日、13時30分から。増田院長の証人調べ。



佐川町長と高北病院問題で懇談
   
    包括医療の一層の推進で合意

 5月31日、佐川の医療を守る会と県医労連、高北病院職組の代表で佐川町長との話合いを持ちました。守る会の坂本会長、松本町議、県医労連の田口書記長、単組からは松本委員長ら3名が参加しました。
 恒例になった始業前の早朝訪問に快く応じて中山町長は、持論の包括医療の重要性を強調、「病院が新体制になり前進してきた。基礎ができたので更にこれを推し進めたい」、「議会の力もかり“健康づくりの町”宣言なども考えて行きたい」、「これからはスローライフの時代。包括医療や文化・教育、環境などが柱になってくる」と語りました。
 会側からは、「月1回の町長・病院長らのトップの会談とは別に、病院事務局長、町総務、企画、健康福祉課長からなる実務レベルの会合をもって、包括医療や地域医療連携をもっと加速すべき」、「高知大学への医師の派遣要請に当たっては県側はもっと理念を明確にすべきと言っており、それが大きな答えになる」と提案しました。

夕方には事務局長、総看護師長らとも懇談

 31日の夕方には、渡辺事務局長、廣瀬総看師長らと懇談しました。渡辺局長は「この間、高知大学や高知県ともさまざまなやり取りの中で一定の信頼関係を築いて来たと思う。その結果として優秀な医師の派遣を得ている。この努力を続け医師派遣を要請しながら、県行政には抜本的な医師不足対策、地域医療確保の主導的な役割を期待したい」、「これからの医療の方向性は、チーム医療、医療連携、包括医療。医療連携は民間病院との関係で難しい点もあるが、包括医療とチーム医療は自分たちの努力しだいで前進させることができる。実務レベルの会議については病院発で呼びかけて行きたい。現場レベルの業務改善を“患者様中心の医療の実現”という同じベクトルに向け調整していくのが事務局の役割と考えている」と述べました。
 また、亜急性期病棟の取得、療養型病棟の一部介護型への転換、紹介・逆紹介率の向上などの方針が示されたのに対して、療養型病床の回復期リハ病棟への転換の可能性や急性期病院との連携強化などについて意見交換をしました。(6.1)



四国地方協女性集会に60人
    
母性保護、男女共同参画について学習、討議

 
5月28日、29日の土日、観光客でにぎわう高知の桂浜で「四国の医療に働く女性の集い」が開催され、60人が参加しました。
 1日目は、元高知労働局均等室長で高知労働委員会の公益委員でもある筒井早智子さんが、男女共同参画について講演しました。筒井氏は日本は
先進国の中でも「夫は仕事、女性は家庭」という意識が強く、家庭内より職場の中でとりわけ「男性優位」の状況が残っていると指摘。制度的な整備と同時に、「1人の人間として自立した生き方を確立することが大切」と締めくくりました。
 続いて、日本医労連書記次長の小松民子さんが、女性の権利について講演。この間の医労連の取り組みを紹介するとともに、母性保護のそもそも論、諸権利の概説を行い、退勤時間調査の成果をさらにすすめ、不払い残業の一掃や次世代育成支援法を活用した職場での具体的な取り組みを提起しました。
 その後、健保労組高知支部、鳴門支部の病院存続、不当労働行為との闘い、愛媛県町立吉田病院の医師不足の中での病院存続の住民運動、全医労の独立行政法人後の闘い、香川県医労連の麻田病院野口さんの解雇撤回の地裁勝利判決の報告などが行われました。
 夜は、高知名物の「皿鉢料理」をかこみ楽しく交流。恒例の利き酒大会やビンゴゲームで盛り上がりました。
 2日目は、看護、介護、母性保護・権利の3つの分科会に別れ討論しました。来年の開催県は香川県です。(2005.5.30)


旭中央病院を見学 
   
 田圃の中に巨大病院群

 日本医労連の自治体病院部会の運営委員会が東京で開催される機会に、かねてから見てみたかった千葉県にある旭中央病院を地元県医労連の八木原書記長の案内で見学してきた。
 
旭市を中心とした1市3町による病院組合立。971床に加え特養、老健、ケアハウス、看護学校などを持つ正に医療・福祉の一大複合体。決算資料で見ると今も右肩上がりの成長を続け、回りの患者を飲み込むブラックホールの感さえ受ける。
 
昭和28年の開院当初は、病床数113床(一般35/結核78)、診療科目4科(内科/外科/産婦人科/小児科)、医師8名、全職員45名であったものが、やまや971床、34診療科、常勤医師225名(他に非常勤34名)、全常勤職員1,880名。
 田圃の中に建つ巨大病院群といった風景が今も残る。それだけに、初代院長の諸橋氏の強い政治力を感じる。病院用の建物だけでも7棟。それが、巨大化していった旭中央病院の軌跡でもあるのだろう。
 この病院は、もう一つの顔を持つ。この病院に働く宮本さんという検査技師が助手にされるという不当な処分を受け、裁判で争っている。見学のついでにビラ配布を手伝い、銚子の労働基準監督署へも行ってきた。年末に御用納めと称して全職員を集めておきながら、賃金を支払っていなかったのだ。それを是正させるという成果を勝ち取った。巨像に対するネズミの一噛みかもしれないが、大きく動いていく予兆かもしれない(→ここ)。(05.5.26。T.T)


県社保協が学習会
    
安心できる社会保障を

 県社保協主催のは、5月21日、「安心できる社会保障を」と題して、学習会を開催しました。
 田中きよむ会長(高知大学人文学部教授)が、「受益者負担の考え方による国民負担の増加が、新たな貧困を生んでいる。いわば“負担貧困”。社会保障の見直しが、かえって困難をもたらすと言う逆説的状態。状態悪化ととじこもりを生んでいる。求められるのは“自己実現的な自由”。社会保障責任に支えられ自分らしい生き方ができること。地域の実態をつかみ、運動を広げよう」と基調講演をしました。続いて各分野から報告があり、年金病院、自治体立病院等の再編問題で田口書記長が、報告しました。(05.5.23)


正看護師への道、さらに広がる
龍馬ふくし専門学校が、H19年度に2年課程通信制開校へ

 うれしいニュースが飛び込んできました。
 今年4月に徳島の県立看護学院に2年課程通信制(250名定員)が開校し、私たちの働きかけもあり四国4県の協力体制が組まれ、学費の援助や病院見学、面接授業の県内実施、50名の高知県枠などを実現したところですが、これに続き高知県内に2年課程通信制が開校の計画であることが分かりました。
  
 
5月18日、龍馬ふくし専門学校の2名の先生が県医労連事務所を訪れ、計画の概要説明と協力要請をされました。田口書記長が対応しました。概要は次のとおり。 

 2年課程通信制の平成194月の開校を目指している。定員は1学年250名。学費は、79万円程度(分割納入可)。放送大学の必修型で、27単位を考えている。

 高知市内2000名の准看護師と病院長にアンケートを実施。およそ6割が進学希望。5,6年間の存置を考えている。
 常時学校を開放し、教員を配置し、相談ができるようにしたい。学内のPC40数台)の開放。放送大学の学内での受講。更には、国試に落ちた場合のサポートも責任を持ってやりたい(合格率は50%程度だと予測している)。
 放送大学の必修科目なども早急に決定したい。今後、行政との折衝や研修病院の確保などに取組んでいく。
 尚、来年度には、正看コースが開校する。定員40名。

 医労連にも協力をお願いしたい。

 これに対して、田口書記長は「正看護師への門戸が広がることであり大歓迎。放送大学の必須科目を早く決めてもらえれば、先行取得ができ入学後の負担が軽くなる。医労連としてもできるだけの協力をしたい。」と表明しました。
 先生の1人は、「私はこれまでT高校で准看護師を育て世に送り出してきた。その責任もあり、これを成功させ1人でも多く正看護師にしたい。」と話しておられました。(05.5.21記)