県医労連速報
高北病院の充実を1万の署名を町長に提出
2003.12.3号

 

県社保協として10月初旬に佐川町の包括医療実態調査を行いましたが、今回の提言にその結果を反映させています。

また、11月25日に労組として地域の開業医との懇談を行いました。
 病院と開業医との連携について意見の交換を行いました。

佐川の医療を守る会-1万5千人の町で1万の署名

 佐川町にある高北病院は、慢性的な経営困難に加え、医師不足や不正経理問題が発生し、深刻な状況に置かれています。
 特に地域住民にとっては、10月からの産婦人科の休診に続き、来年4月からは小児科も休診の可能性があるということで、医師確保、診療科の再開、維持が切実な要求となっています。
 このような中、当該の高北病院職組や医療生協佐川支部、佐川町職、新婦人、教組、福祉保育労などが中心となり、佐川の医療を守る会を10月28日に発足させました。
 会では、医師確保など高北病院の充実を求める署名や町長との話合い、県への要請などに取組んできました。
 署名は12月1日までの約1ヶ月間で1万3百筆に達しました。近隣町村の方の署名も含んでいますが、人口1万5千人の佐川町民の過半数をはるかに越え、住民のこの問題への関心の高さと高北病院に対する期待の大きさを示しています。


          


署名を提出と政策提言を行う

 12月1日には、守る会の坂本貞雄会長はじめ会の役員が、町長室を訪れ署名を中山博司町長に提出しました。県医労連からは田口書記長が出席しました。
 また、「高北病院を町民のための病院にするために-保健・医療・福祉の総合的展開めざして」という提言を手渡し、意見交換を行いました。
 提言は、現状認識と現在の危機の打開方向、高北病院の理念・具体的な機能、その機能を実現するための組織のあり方の提起からなっています(PDFファイル参照)。
 町長からは、「町民の方々の思いを重く受け止める。町政の最大の課題であり、全力を挙げている」、「提言には8割方賛同できる」、「現在そういう方向で病院改革委員会で精力的に論議している。ワーキンググループも作り年内には方向性をまとめ、医師確保にも全力を挙げたい」との表明がされました。
 懇談には、助役、企画調整課長も加わり、町として総力を挙げて取組んでいる状況が語られると同時に、「病院内での意思統一、方向性の積極的な提示をお願いしたい」と注文も出されました。


町当局、守る会で県への要請へ

 守る会からは、「医師確保が緊急の課題。しかし、病院の理念・方向性の確定なしには医師の派遣は受けられない。そのために会としても提言を取り急ぎまとめた。改革委員会の議論を急いでもらいたい」、「医師の確保は対医局ではなく高知大学医学部との関係に切り替えることをめざし、地域医療の確保のための協力要請の仲介を県に頼んではどうか」、「そのために1万の署名を携えて、町当局と守る会で県へ要請に行って欲しい」と提案。
 中山町長は、「それは一緒に行きましょう」と快諾、12月町議会後に日程調整のうえ県の健康福祉部へ要請に行くことを約束しました。


教育厚生常任委員会へも要請

 12月2日、高北病院の不正経理問題の原因究明と再発防止策などを議論するために教育厚生常任委員会の会議が高北病院内で行われました。守る会の坂本会長と田口書記長は、1万筆の署名に示された町民の意思を活かす形で決議を12月議会で挙げてもらえるよう陳情しました。また、「提言」の趣旨を説明し、協力を求めました。

 守る会では、5日には高北病院改革委員会の青山英康会長(高知女子大学学長・元岡山大学医学部教授)への要請を予定しています。年内に医師確保の目途を付けることをめざし活動しています。