県医労連速報
2年課程通信制問題で
県交渉実施 2003.7.23

 

月27日に制度問題の学習会を開催します。
 ぜひご参加ください。詳しくは催し物案内をごらん下さい。

 


●准看護師制度や2年課程通信制に関するご意見をお寄せください。
 県や厚労省との交渉などに生かさせて頂きます。

県下に最低1校の開設を図れ

 7月23日、2年課程通信制問題で県との2回目の話し合いを行いました。県医労連、高知県看護を良くする会、民間病院代表が参加しました。県からは、医療対策課の家康課長外3名が対応しました。
 高知県下に最低1校は開設するよう迫りました。

          

小規模県では、通信制開設が極めて困難 (県側主張)

 厚労省は政省令を改正し、2004年4月から2年課程通信制をスタートさせるとしていますが、設置基準が「定員500名まで専任教員7名」など、「500名」が事実上の採算規模になっているため、高知県のような小規模県では採算上設置が極めて困難である、との認識を県側は示しました。

 県看護協会は、1月下旬から2月中旬にかけて2年課程通信制問題について意向調査を行っています(下表)。それによるとH16年4月入学希望者は430人。H17年度は45人。職員を採用し開設したとしても数年で採算規模の500人を割り込んでしまうというのです。

(看護協会の2年課程通信制についてのアンケート結果)
 
配布施設数 834  回答施設 417(2,483人) 回答率50%(施設) 

■進学の希望

進学の希望 実数
進学 する 1,318
進学しない 1,095
無   効 70
2,483


■進学の手段

進学の手段 実数
2年課程通信制 1,083
それ以外 230
無   効 5
1,318


■2年課程通信制への入学希望時期

進学時期 実数
H16.4 430
H17.4 45
H18.4 27
H19.4 9
H20.4 13
分からない 549
無効 10
1,083



周知徹底、ニーズの掘り起こしは県の義

これに対して私たちは、回収率50%。単純計算すればその倍の数字になる。また、このアンケートは内容が明らかでない時点の数字で内容を知らせればもっとあがるし、内容周知とニーズの掘り起こしの責任を県は負っていると主張はしました。

准看護師の希望を裏切るなの訴えに
県:財政試算を約束


 安部病院の参加者からは、「30年待たされてきた。裏切りつづけられ、今度こそは来年から始まると希望をもった。職場でみんなで放送大学を受講し、明日が認定試験だ。みんな一生懸命頑張っている。田舎で正看護師を確保することは難しい。院長も応援してくれている。勉強している内容が日々の仕事に生かされている。確実にレベルアップにつながる。もし、これで学校が出来ないということであれば、最初から制度化するなと言いたい。希望を裏切らないで欲しい」と切々と訴えました。
 県は当初、厳しい県の財政事情もあり極めて消極的でしたが、県の看護学校で通信制を開設するとして、財政的にどうなるのか、授業料はどうなるのか等の試算をすると約束しました。

制度改善も必要
日本医労連を通じて厚労省へ突き上げ


県は最低一箇所県内に学校を確保すべきです。しかし、その一方で高知県のような小規模県においては、採算上の困難性があることも事実です。
例えば、200名までは専任教員3人とかの新たな基準が設定されれば、高知のような小県でも可能性は出てきます。また、500名でもいくつかの学校での共同開設方式が可能であれば、開設はしやすくなります。
 その日に県医労連から日本医労連に報告し、厚労省看護課に要求を突き上げるよう要請しました。
 更に、以上の規模の見直しの一方で、通信制のメリットを生かし、入学する学校は都市部だけれど、県内分校の開設(出張授業)や実習病院は県内で確保などの措置が取れないか可能性を追及することも必要かと考えます。

あきらめず、ねばり強い運動を全国から

 厚労省の2年課程通信制への補助金は8校程度と聞いています。来年4月開設は都市部の本の数校になるものと思われます。全国のほとんどの県が、高知県のような状況におかれることは必至です。制度の矛盾は明らかです。矛盾が大きいということは、逆に私たちの運動で改善を勝ち取られる可能性も大きいということです。
 8月中旬には、県の試算もできる予定です。入学希望者がもう少しいれば採算が合うのなら、私たちが県下の准看護師に制度の中身を知らせ、入学を呼びかけることも必要になってくるでしょう。
 とてもじゃないが、採算をあわせるためには授業料がベラボウになるのであれば、厚労省に制度の改善をやらせることがどうしても必要になります。
 30年も待たされつづけた正看護師への道、ここで閉ざさせてはなりません。あきらめず、私たちの運動で行政を動かし、正看護師への道の拡大を実現しようではありませんか。